BOI企業の設立

2016年09月09日作成

 

タイ国で、BOI企業とは、BOI(投資委員会)の奨励を受けた企業ということになります。
よく外資企業に対しての特典のように言われ、日系企業が断トツで奨励件数が多いともよく聞きますが、実態は過半数はタイのローカル企業が奨励を受けています。

それでは何がそんなにいいのか?本当にBOI企業であるべきか、そもそもBOI企業とは何なのかと言った疑問に答えながら、BOI企業の設立の仕方について説明してみようと思います。尚「BOIの奨励について、その必要性?」「奨励とその義務」については、詳しく「タイ国BOI関係(BOI通になるために)」をご覧下さい。

 

1.BOI企業であること(恩典、条件) つまり権利と義務

タイ国においてBOI企業である事は何かいいことがあるのか?

条件付きではありますが、いくつかの恩典があります。

先ず、BOI企業であると言う、最低の条件があります。それは、毎年BOIに報告をすることです。報告の内容は非常に簡単です。経理の報告をするわけでもありませんが、経理担当とか、総務担当とかに任せておけば大丈夫と言った感じです。(外資であっても、同じです)

その他は、その恩典を得るための条件ですから、その恩典が必要でなければ他には何もすることはありません。

一般的な恩典として、

1.外国人のワークパーミットとビザの取得

一般の企業では、日本人を雇うにはタイ人4名と資本金200万バーツというのが原則ですが、BOI企業はタイ人従業員数や資本金額に関わらず、外国人を必要と認められれば、何人でも雇う事が出来ます。

最近は、ほとんど2年のワークパーミットとビザが出るようになりました。これだけをもらうだけでもBOI企業になる理由は充分にあるのではないかと思います。

 条件は、専門家である証明(最終学歴の証明、5年以上の専門職の就業の証明)、そして、タイ人に対してのその専門の技術等の伝授、指導をすることです。どのように指導するのか説明が求められます。

2.外国人の土地の取得

 あまり皆さん気にされてませんが、BOIの関係者、少なくとも株主はその名前(個人でもOK)で土地を購入する事が出来ます。勿論、いくらでもと言う訳ではありませんが、個人が買うには1~2ライもあれば充分でしょう?

 勿論、会社(外資)が事業の為に買う事は、認められればいくらでも購入出来ます。

3.製造業でも委託・請負業でも営業が出来る

 これは、あまり日系企業にはなじみのない考え方ですが、製造業でも委託・請負業はBOIの奨励なしでは、外資企業の営業は不可です。例えば、自動車や電機・電子関係の下請け会社はこの中に入ります。お客様から注文をもらって製造をする会社は全てサービス業に入りますので、BOI企業でなければなりません。2015年以降は、BOIから奨励を受けられない業種が出てきました。それらの企業は、外国人事業登録をするか、ローカルの出資を仰ぐしかありません。

4.サービス業の営業が出来る

 BOIはITC(卸売業)、IHQ(地域統括会社)、TISO(貿易・投資支援事務所)等のサービス業については、特別な恩典を出しています。更には、ソフトウェア開発、流通業、医療、観光などタイに利益を生であろう業種には恩典を厚くして海外からの進出を促しています。

5.輸入関税の免税が受けられる

 これは、よく問題になるのですが、コストと手間の比較です。関税と比較してコストと手間がかかり過ぎるようであれば、関税を支払って輸入すればいいだけですので、使わなければならないと言う事はありません。

 やらなければならない事はたくさんあります。「BOI機械の免税申請」、「BOI原材料の免税申請」をご覧下さい。

6.法人税の免税が受けられる(配当も免税)

 これも、コストと手間と時間の比較です。利益が出てなければ、何もする必要はありませんが、利益が出て法人税の免税恩典を受けようと考えるのであれば、会計士の会計報告を120日以内にBOIに対してしなくてはなりません。面倒で、費用も掛かるようであれば、免税を受ける必要はありません。

 配当は、法人税の免税を受けられる期間であれば、配当金に対しては無税となります。

2.BOI企業である必要性

1.の3,4、で述べたように、サービス業でBOIの奨励を受けなければならないような外資企業は、BOI企業である必要がありますが(外国人事業登録と言う手もありますが、BOIの方が簡単で、得るものが多いのです)、該当しない企業はBOIである必要はありません。しかし、最近では、外国人に対してワークパーミットやビザの条件を考えただけでも非常に有用だと考えます。

3.BOI企業の設立について

会社の設立は、一般の企業と同様の作業をします。「新会社設立」をご参照下さい。

1. BOI企業として会社を設立する場合は、まずBOIの申請を個人名で行います。新会社のサイナー(代表者)の名前で申請します。申請をして、受理してもらった時点(受理書が発行されます)で、その事業はスタートする事が出来ます。

2. BOIの事業として、機械を免税で輸入出来ますし(輸入時は関税を支払いますが、後で還付を受けることが出来る)、仮のワークパーミットを取得できます。

3. 申請をしてから10日から2週間で面接があります。面接は基本的には1対1です。

4. 面接が終わって、BOIの担当官からのリクエスト(多分書類の提出を求められます)を早急に処理をして(ここが大切なポイントです。BOIの担当官は通常一人で10件くらいのプロジェクトを抱えていますから、書類を出すのに時間をかけてしまうと、プロジェクトを忘れてしまいます。)、後は審査を待っているだけです。依頼された書類を全て出してから、早い担当官で1週間(これは驚異的に早い)から1ヶ月半で審査に入ります。大きなプロジェクトですと、委員会が付きに一度ですから、3ヶ月くらいは見ておいた方がいいでしょう。

5. 審査に通れば通知書が出ます。通知書が出れば、通知書に対しての返答をします。通知書の内容が申請通りであれば、直ぐに返答をします。違う用であれば、クレームを付けることも出来ますし、申請内容の変更等も出来ます。

6. 次に奨励証書の発給申請をしますが、ここで、必要なのが、新会社です。個人名で申請していますので、そのまま発給申請をしてしまいますと、個人名で奨励されてしまいますから、そうなると会社に事業主体の変更をしなくてはならなくなり、さらに時間が掛かってしまいます。新会社は一般の会社の設立と同じです。

BOI企業は、会社設立の際の最低資本金は100万バーツ以上です。タイ人の雇用のは基本的に自由です。しかし、外国人のワークパーミットについては、タイ人に対しての技術の伝承、教育と言ったところを問われます。申請書には、ある程度のタイ人の雇用は記載しておくべきでしょう。

ローカル企業として、BOIの奨励を受ける場合は、特に問題はないのですが、外資企業であれば、BOIから海外からの入金証明を要求されます。最近は徐々に外資の投資に対してはうるさく確認されますので、ローカル企業でも外資が入る分があれば奨励証書を発給申請する時に入金証明の添付を要求される可能性はあります。

外資企業は、会社の目的が一般とは違い、BOIの奨励を受ける目的と、外資に許される6つの目的(外資企業の一般会社目的を参照)を登録することになります。

新会社の登記簿や、株主リスト、及び外貨送金証明書を付けて奨励書の発給申請をしますと、大体2週間くらいで奨励証書が発給されます。奨励証書は条件と恩典が記載されていますから、必ず日本語で翻訳をしておくことをお勧めします。

4.BOIの奨励はいつなくなるのか、いつBOI企業でなくなるのか?

よく聞かれる疑問ですが、BOI企業は永遠です。つまり、BOI企業自身がOBOI(BOI事務所)に対して、BOIの奨励をキャンセルしない限りいつまでもBOI企業です。
最終申請書一式と奨励証書はセットで大切に保管しておいて下さい。

但し、BOI企業でいる為には、毎年報告をしなくてはなりません。今までは、その辺は非常に曖昧で報告をしなくてもOBOIの方からは奨励を取り上げると言ったことは過去になかったのではないかと思います。

しかし、最近では操業通知について、かなりうるさくBOIの方から言われるようになってきているようで、これをそのままにしておくと、突然奨励を取り上げると言ったことが起こりうるかもしれませんので、奨励証書を受け取った日から3年目には、操業通知をすることをお忘れないように。

日本コンサルティング 株式会社
担当:井内 隆司(いのうち)
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携帯:081-645-8370

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