工場の設立、操業、移転等

工場の設立について

1.場所の確認

     一番初めにどこで(どの地域で)操業するのかと言う事が大切です。先ずは、工場の操業が出来るかどうか、一般の土地であれば役所の土地計画図で紫色の地域(工場地域)かどうかの確認が必要です。

     工業団地内でも、操業許可が出ない場合があります。

     もちろん、工業団地内であれば工場の操業は出来ると考えるべきでしょうが、小さなバンコク近郊の団地(個数が50~100戸であっても)では、正式に工場の操業許可が出ない所があります。充分にご注意下さい。工場の操業許可には、工場内の全部の機械の馬力数によって、許可の内容も違いますし、申請先も違います。たとえ大きな団地であっても、食品や化学薬品を使う所は許可が出ない所もありますので、事前の確認が必要です。特に、新しい工業団地(フェーズが新しい所など)では、出来る事業がかなり制限されていますから、確認が必要です。

   IEATの団地内であれば、操業許可の申請先は工業省内ではなく、団地内にあるIEATとなります。申請も比較的簡単です。  

2.設立の形態

工場の設立には、

1.間借り賃貸工場
2.賃借工場
3.土地&建物購入
4.土地の購入/借入後建築

この4つタイプがあると思います。それぞれについて説明をしていきます。

1.間借り賃貸工場

     このケースはまれですが、事業の一部を請負うとか、修理/メンテナンスをするとかと言ったケースでしょうか。基本的には、無料で別会社がスペースを借りると言う事は税務署が認めないでしょうから、契約書の作成は欠かせません。

     借りる側は全く問題がありません。工場の操業許可申請の変更を出せばいいだけです。貸す側が、操業許可申請をまとめて取っていれば、誰がそれをするのかは、操業許可に関しては、問題となりません。
     一部問題になるとすれば、貸す側です。もし、貸す側が外資企業である場合、外国人事業法の対象業種である賃貸業務に当てはまります。外資はそれは認められていませんので、外国人事業許可申請をしなくてはなりません。もし、一般的な賃貸業と見なされば、許可は出ません。但し、賃借人が関係会社であれば、比較的簡単に許可されます。ここで言う関係会社とは、出資関係があるとか、役員を派遣していると言った関係です。

     ローカル企業であっても、BOI企業であれば、問題となる可能性があります。どういう場合かと言うと、BOIの奨励事業の資本金額がその会社の資本金の全額である場合。つまり、賃貸業をする余地がないとみなされる。又は、BOIの事業の中で賃貸業を行っているとみなされる。つまり、法人税の免税の枠を使っているとみなされれば、税務署からの課税の見直しの対象となるかもしれません。

 

2.賃貸工場

     工場の賃貸の場合、契約をする前に、いくつか確認をしておかないと、契約をしてからでは遅いと言うケースがあります。

a)   操業許可の確認
その建物が工場として建設されたのか、そうでないのかがまず問題となります。それは、工業団地内であっても同じで、倉庫として建設された建物で工場の操業は基本的には出来ません。
     工場の操業許可申請では、建築許可書の提示も求められます。もし、工場としての建築許可が下りていないのであれば、工場とし建築許可を得ることのできる建物であるのかどうかも、検討されます。

b)   契約書の確認
工場として、操業が出来ると言う事が分かれば、次に賃貸の条件の確認です。(契約の内容については、タイの不動産売買についてを参照)日本とは違う条項がありますから、充分に確認してから、契約を行いたいですね。賃貸物件を大きくやっている相手であれば、英語の契約書もありますが、タイ語の場合は、しっかりと内容の確認をしておくべきです。出来れば、英語に翻訳した契約書で契約をしたいですね。

 

3.土地&建物購入

     工場の土地と建物を購入するケース。このケースも操業許可が大いに関係してきます。先に述べたように、一般の土地であれば、紫(工場地域)にあるのかと言う事が大切ですが、まれに紫ではないが操業許可付と言う物件もあります。これは、以前にその工場を使っていた事業に対しての操業許可ですから、必ずしもその許可が引継げるとは限りません。以前は、お金が物を言ったのですが、最近はそんなに簡単ではありません、ご注意下さい。

     「2.賃貸工場」同様、操業許可については、しっかりと確認の上購入交渉に入りましょう。

     土地・建物の購入は、権利関係の確認等非常に複雑な作業が必要ですので、しっかりした業者の仲介、及び弁護士による契約書の内容の確認も大切です。(契約の内容については、タイの不動産売買についてを参照)

     外資企業の場合は、不動産の購入は許可制ですから、IEATの団地であれば、*IEATに、その他の土地(工業団地でも)は*BOIに、外国人の不動産所有許可申請をしなくてはなりませんので、事前にスケジュールの確認もお忘れないようにしましょう。

 

4.土地の購入/借入後建築

     工場用地を購入、又は借入をして、工場を建設するケース。このケースも操業許可が大いに関係してきます。先に述べたように、一般の土地であれば、紫(工場地域)にあるのかと言う事が大切です。役所に出向いて、確認をしておきたいですね。

     土地の購入/借入は、権利関係の確認等非常に複雑な作業が必要ですので、しっかりした業者の仲介、及び弁護士による契約書の内容の確認も大切です。(契約の内容については、タイの不動産売買についてを参照)

     工場や倉庫を建築するには、建築許可が必要です。以前は、建築屋に任せっきりでも大丈夫でしたが、大きな工場ですと操業許可が関係するようになりましたので、充分に確認の上進める必要があります。

 

*IEATの工業団地内の不動産の売買をするケース

     IEATの工業団地内であれば、外資企業でもIEATの許可をもらって不動産の売買が出来ます。

     IEATの場合は、先ず(01/1)と言われる土地利用許可申請をします。これに、2~3週間かかります。その後、土地所有許可申請をします。これも、2~3週間かかります。つまり、合わせて1~1ヶ月半は登記するまでに時間が掛かってしまうと言う事です。

*BOIの恩典を使って外資企業で不動産売買をするケース

1.新規事業にて購入するケース

     この場合は、奨励証書の発給後に土地所有許可申請をすることになりますので、時間が掛かります。BOIの申請から奨励証書の発給に3~4ヶ月、その後1ヶ月程掛かりますので、充分に時間を取って事業を進めて下さい。事業によっては、奨励を取ることほぼ間違いのないケースもあり、事前に建築を進めると言う場合もありますが、契約の解約の条項については、しっかりと確認をしておきましょう。

2.奨励証書を取った後で購入するケース

     奨励証書があれば、移転を含めて申請をして1ヶ月程で許可が出ます。
1.工場用地(倉庫、駐車場等必要であれば認められます)
2.従業員の住宅、福利厚生等に使用する用地
3.日本人の役員の個人購入も認められます

3.購入した土地の販売

     購入した土地について、販売することも出来ます。(不動産事業としてはダメです)勿論、許可を受ける必要がありますが、販売価格は市場価格でよく、税金さえ支払えば一般の売買と変わりなく出来ます。

     BOI企業でなくなった場合。つまり、BOIに奨励を返還した場合。事業をやめてしまった場合等。は、1年以内に販売をすることとなっていますが、出来なかった場合については、あまり追及されていません。

 

日本コンサルティング 株式会社
担当:井内 隆司(いのうち)
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