タイ国内の工業団地について

     工業団地は、全て工業省の管轄下にあり、大きな団地は「工業団地公社法」に則って作られています。

     タイ国には、大きくわけて3種類の工業団地があります。

1.IEAT(工業団地公社)直轄の団地(IEAT

2.IEAT(工業団地公社)と民間の提携した団地(IEAT&P)

3.IEAT(工業団地公社)の関係していない団地(Private)

4.その他の団地

     IEATIEATとIEAT&Pのこの2つ種類の団地は”Industrial Estate”と名乗ることを許されています。他の団地はEstateと言う文字は使われていません。

     IEAT(工業団地公社)は1972年に工業省の下で、整然とされた工業団地の開発、インターナショナルなレベルでのインフラの整備を目的として発足されました。

     IEATの団地(ここでは、IEATIEAT&Pを指します)は、団地内で操業する企業には下記の恩典が与えられます。
1.外国人専門家、技術者にワークパーミットの発給、及びその家族に対してもビザの発給
2.外貨送金の自由
3.外資企業の土地の所有の自由
4.EPZFTZFZ内での原材料、機械の輸入の免税(VATも含む)
5.ワンストップサービス(工場の操業許可申請等)

 

町の機能を持つ工業団地

工業団地内には、諸設備(上下水道、工業用水貯水池、発電所、変電所、電話交換設備、排水処理施設、廃棄物焼却炉等)が完備されています。また、銀行、郵便局、クリニック、ガソリンスタンド、ゴルフ場・練習場、技術訓練校、レストラン、諸商店等の商業施設や住宅地域を併せ持つ団地もあります。最近ではかなり工場以外にも開発が進んでおり、日本食のレストランが進出している工業団地も増えてきました。しかし、日本人が住むという環境まではまだまだのようです。

 

GIZEPZDFZFTZFZ

工業団地内には、GIZ(General Industrial  Zone、一般工業団地区)、EPZ(Export Processing Zone、輸出加工区)や、DFZ(Duty Free Zone、免税地区)、FTZFZ(Free (Trade) Zone同左)があります。EPZDFZFTZや、FZは全ての輸入関税が免税となり、そのまま輸出することができるのが特徴です。最近では国内への販売も自由にできるようになっているようです。GIZEPZIEATの管轄下にあり、DFZFTZFZは税関の管轄下にあるという違いがあります。

IEATに関する申請は下記のようなものがあります。

申  請 許  可
土地使用許可申請(01/1) 操業のための土地使用許可申請
一般事項 許可申請
土地使用
土地、建物 売買・賃貸契約許可
建築確認申請(02/1) 建造物建築確認の申請 建物建築 確認証
操業許可申請 (03/1)、 拡張/変更申請 (03/3) 操業開始通知申請、及び事業の拡張/変更の申請 操業 許可証 (事業拡張)
土地使用・操業許可
延長申請
土地使用・操業許可 延長申請 土地使用・操業 許可証
(期間延長)
その他 ビザ、ワークパーミット申請土地所有許可申請  技術者・専門家の為の滞在許可・就業許可外資企業の土地所有許可

 

※ 詳しくは IEAT(Tel : 0-2253-0561 / 2965)、または各工業団地販売元へお問い合わせください。

 

IEATBOIとの関係

IEAT(工業団地公団)は、1972年に工業省の下で、整然とされた工業団地の開発を目的として、発足されました。一方BOI(投資委員会)は、1977年に投資奨励法により運営を開始し、工業省にその管理運営が任されています(現在は首相府)。IEATの関係する工業団地では、IEATの恩典とBOIの恩典をどちらでも使うことができます。

 

タイの工業団地の特徴

○ 工業団地は工業省の管轄下にあり、大きな団地は工業団地法のもとインフラ、設備等は一定の水準以上となっています。

○ 地域によっては、非常に地盤の弱いところがあり、特にバンコク近郊は弱いとされています。

○ バンコク北部の団地は、2011年の大洪水で全て水没しましたが、今は外側を防護壁でおおわれており、充分な洪水対策が施されております。(タイのレベル)

○ 電力供給は雷による一瞬間の停電や15分以内の停電は一部ではまだ見られるようですが、おおむね良しと考えていいのではないでしょうか。電力量については現在のところ問題はないと言ってよいでしょう。

○ 現在、日本から進出した際の一番の問題は、インターネットのアクセススピードだと思われます。充分な速さになるにはまだまだ時間がかかるようです。

近年の傾向

タイ国では、‘11年の記録的な大洪水、13年の思いがけない洪水と、どこの工業団地も浸水の危険性があるという事が分かってしまい、結局のところは自分の身は自分で守ると言う、海外に於いての基本的な考え方に戻って立地探しをすることの重要性を見せつけられることとなりました。近年の労働力不足もさることながら、重要課題の一つとなってきています。

経済の踊り場に来ている感のある現状、過去を振り返ってみても、団地自体のインフラやその他のサービスの質についてあまり向上していない実情に正に今直面していて、これからどう打開していくのか大きな課題です。

各工業団地の特色

既にこの枠組みはなくなってしまいましたが、バンコクからの距離で3つのゾーンに区分けしてタイ国内の工業団地を紹介します。以下に表記する“IEAT”は、“Industrial Estate Authority of Thailand(タイ工業団地公団)”、“P”は“Private(私企業)”の略です。

■ 第1ゾーン

【バンコク】

○ バンチャン工業団地(IEAT

Bangchan Industrial Estate

ナワナコン工業団地とならぶ古い工業団地、30年以上前に完成。

○ ラッカバン工業団地(第1、2期 IEAT

(第3期 IEAT&P

Lat Krabang Industrial Estate

1、2期はIEAT独自の開発、3期は日系の商社とIEATの開発。EPZもある。工場移転による売り物件も出ている。

○ ジェモポリス工業団地(IEAT&P

Gemopolis Industrial Estate

宝石業専門の工業団地。貸工場もある。

 

【サムットプラカン】

○ バンプー工業団地(IEAT&P)

Bangpoo Industrial Estate

メトログループによって開発されるも、現在はIEATによる運営。同名のゴルフコースも隣接。住宅地・商業地も開発され、団地として充実してきた。EPZもある。

○ バンプリー工業団地(第1期 IEAT&G)

(第2期 IEAT&G)

Bangplee Industrial Estate

住宅公社とのジョイントによる工業団地で、すでに完売。

 

【パトムターニー】

○ ナワナコン工業団地(P)

Navanakorn Industrial Park

70年代初めより開発が始まり、現在でも販売中。開発面積は4,000ライを越え、住宅区、商業区等整ってきている。隣接してDFZも出来た。’11年洪水の被害を受けた。

○ バンガディ工業団地(P)

Bangkadi Industrial Park

東芝を中心とした工業団地。日本人が住める住宅の開発もされている。アユタヤ方面の通勤に便利。‘11年洪水の被害を受けた。

 

【サムットサコーン】

○ サムットサコーン工業団地(IEAT&P)

Samut Sakorn Industrial Estate

水の供給が豊富で、食品関係の工場に向いている。

 

■ 第2ゾーン

【アユタヤ】

○ ロジャナ工業団地(P)

Rojana Industrial Park

日系商社とローカルのジョイントによる開発で、自動車のホンダが入っている。最近アユタヤ地区では特に拡張が目立ってきた団地である。’11年洪水の被害を受けた。

○ ハイテク工業団地(IEAT&P)

Hi-Tech Industrial Estate

1号線から32号線に入って少し行くと左手にある。キヤノンが入っていることで有名。EPZ、DFZもある。‘11年洪水の被害を受けた。

○ バンパイン工業団地(IEAT&P)

Bangpa-In Industrial Estate

バンパイン宮殿の近く。EPZもある。‘11年洪水の被害を受けた。

○ サハラタナナコン工業団地(IEAT&P)

Saharattanakorn Industrial Estate

開発会社の倒産により、’11年の洪水の被害からの立ち直りに問題が出ている。

 

【サラブリー】

○ ノーンケー工業団地(IEAT&P)

Nong-Khae Industrial Estate

現在はサイアムセメント系となっている。味の素社が入居、‘11年の洪水の被害を受けた企業がかなり入居している。

○ SIL工業団地(P)

SIL Industrial Land

現在はイースタンシーボード工業団地などを運営しているヘマラート・ランド系となっている。工業用地の地盤はしっかりしている。‘11年の洪水の被害を受けた企業がかなり入居している。

 

【チャチェンサオ】

○ アジア工業団地スワンナプーン

Asia Industrial Estate Suvarnabhumi

バンコク銀行系の工業団地で、バンコクから東に延びるスクムビット77(オンヌット通り)の先に位置しており、バンコクから車で1時間程に位置。まだ新しい団地で周りには何もないが、その先はトヨタのバンボ―の工場に近く、大きく開けていく可能性を秘めた団地です。

○ ウェルグロー工業団地(IEAT&P)

Well Grow Industrial Estate

サハビリヤ系の工業団地で、バンナートラート37kmに位置。第2高速もすぐ裏を通り、バンコクからの通勤には非常に便利。

○ ゲートウェー工業団地(IEAT&P)

Gate Way City Industrial Estate

自動車のトヨタ、いすゞが入居。イースタンシーボード地域にアクセスも良く、地形も良く、通勤を除くと理想的な団地ではあるが…。

○ 304工業団地2(P)

304 Industrial Park 2

経営は304工業団地と同じ。05年にスタート。ゲートウェー工業団地からさらにプラチンブリ寄りになる。

 

【チョンブリ】

○ アマタナコン工業団地(IEAT&P)

Amatanakorn Industrial Estate

バーンナートラート沿いのバンコクとレムチャバンの中間に位置する。工場地区以外に商業区の開発も盛んになっている。日系企業が多く入居している。DFZも開発され、現在9期まで開発が進んでおり、その広さ、設備はタイ国一で巨大な工業団地である。残念ながら、’13年に洪水の影響を受け浸水した。

○ ヘマラート・チョンブリ工業団地

(第1期IEAT)(第2期 IEAT&P)

Hemaraj Chonburi Industrial Estate

同じ経営母体であるイースタンシーボード工業団地の入口の反対側に位置する。EPZを持つ。

○ シラチャ工業団地(P)

Sriracha Industrial Park

サハパッタナ系の工業団地で、グループの工業団地として、ランプーン、プラチンブリの工業団地と同様、グループ内での使用がなされている。私設の飛行場も備え、公園もあり、素晴しい街なみ。

○ レムチャバン工業団地(IEAT)

Lame Chabang Industrial Estate

IEATの開発でBOI第3ゾーン。レムチャバン港に隣接。土地は30年リースですでに完売。

○ ピントン工業団地(IEAT&P)

Pinthong Industrial Estate

レムチャバン港に車で約10分と非常に近いのが魅力。貸工場・土地開発に力を入れている。最近、中小企業に人気。団地の中を道路が通ることになり便利になった。団地の拡張もどんどん進んでおり、東部臨海地域では地理的な要因で人気である。

 

■ 第3ゾーン

【ラヨーン】

2014年12月31日までゾーン変更の延期が認められ、第3ゾーンと同じ恩典を与えられている。

 

○ イースタンシーボード工業団地(IEAT&P)

Eastern Seaboard Industrial Estate

バンコクから東に127㎞、レムチャバン商業港より27㎞の位置にある。海抜100ⅿを超え、洪水の心配がなく、強固な地盤が特徴。

○ ヘマラート・イースタンシーボード工業団地(IEAT&P)

Hemaraj Eastern Seaboard Industrial Estate

イースタンシーボード工業団地に隣接。元タイ・シンガポール21工業団地をヘマラートランド&ディベロップメント社が買収。免税地区(FZ)を併設する。

○ サイアムイースタン工業団地(P)

Siam Eastern Industrial Park

サイヤム・スチール・グループが開発し、入居企業は日系の工場がほとんど。

○ アマタ・シティー工業団地(IEAT&P)

Amata City Industrial Estate

アマタナコン工業団地が一部出資している。最近入居も開発も進んでいる。

○ ラヨーン工業団地(P)

Rayong Industrial Land

ラヨーン県内でも奥まった所に位置するが、他の工業団地と比較して土地代も安く入居している企業も大きなものが多い。

○ イースタン工業団地(IEAT&P)

Eastern Industrial Estate

バンコクより東南へ190kmのマプタプット港に隣接し、タイ湾から産出される天然ガス等が利用でき、重化学工業に向いている。

○ マプタプット工業団地(IEAT)

Map Ta Phut Industrial Estate

マプタプット港を併設し、巨大な石油コンビナート等、石油化学関係の工場が入居。

 

【プラチンブリ】

○ 304工業団地(P)

304 Industrial Park

巨大な湖を造り、給水量はタイ国第一を誇る。発電所も併設し電気の供給も十分。ホテル、住宅も完備し、1つの街を形成している。’13年浸水した。

○ ハイテックカビン工業団地(P)

Hi-Tech Kabin Industrial Park

アユタヤのハイテク工業団地のオーナーが、以前にあったパークウェイ工業団地を買い取ったもの。304号線沿いの、304工業団地の少し先に位置する。

○ カビンブリ工業団地(P)

Kabinburi Industrial Zone

バンコクより約170kmと遠くにあるも日立、サンヨーと大手電気メーカーがすでに入居。他にも多くの日系企業が入っている。

 

【ナコンラチャシマ】

○ ナワナコン工業団地ナコンラチャシマ(P)

Nawa Nakorn Industrial Estate

Nakonratchasima

パトムターニー県にある同名の工業団地と同じ開発業者。約2,000ライの開発面積で、豊富なタイ東北部からの人材の確保が期待できる。